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【北信越ラボコラム】〈21〉データから分かること/【前年比較してみた】観桜会会期中の上越妙高駅の利用状況について(1)

データから分かること/【前年比較してみた】観桜会会期中の上越妙高駅の利用状況について(1)

取締役 地域事業開発(地域DX推進)担当 横田 孝宜(よこた たかよし)

本稿は、昨年に引き続き、地元(新潟県上越市)で開催された春の訪れを象徴する大規模イベント、「第99回高田城址公園観桜会(以下、「観桜会」といいます)」会期中の上越妙高駅の人の存在推移をレポートします。本年の観桜会は2024年3月29日(金)から4月14日(日)までの17日間にわたって開催され、4月16日の公式発表によると、前年比で約102%増の418,000人が訪れたことが報告されました。

<昨年の観桜会に関するコラム>は以下↓

【北信越ラボコラム】〈17〉データから分かること/観桜会会期中の上越妙高駅の利用状況について(その1)

・【北信越ラボコラム】〈18〉データから分かること/観桜会会期中の上越妙高駅の利用状況について(その2)

(1)データによる前年比較:高田城趾公園観桜会会期中の上越妙高駅
当社は2022年9月から上越妙高駅での調査を開始しましたが、観桜会期間中のデータ収集と分析はこれが2回目です。今回から自社独自のデータを使用して、前年(2023年)と比較が可能になりました。まずは以下観桜会期間中の上越妙高駅の利用者推移をご覧ください。

さらに下の表をご覧ください。上越妙高駅に設置されている2つのセンサー(JR新幹線改札付近・えちごトキめき鉄道改札)が取得したデータから、来訪状況を1日平均で表し、観桜会公表値との「増減の割合」で比較したものです。


※推計値は①訪問者が所有するモバイルデバイスの数を考慮し、②国の統計データや信頼できるマーケティングリサーチデータを元に、当社独自の係数を設定したうえで算出しています。これにより、観測されたデータからおおよその駅利用者(鉄道利用に限定されない)を推計するものと考えます。

次章以降、このデータについて説明、および考察をしたいと思います。

(2)観桜会来訪数の「微増」は花見会場の分散が原因だったのか

報道によれば、今年は開花が前年よりもかなり遅れたことや、満開時期が県内外のさまざまな場所と重なり、各地の桜の名所に観光客が分散したことが来訪者微増にとどまった主な原因とされています。しかし、お花見に関する以下のような調査を見ると、そもそも桜の名所としての「高田城趾公園観桜会」の認知度が不十分に思えます。

一度は行ってみたい!桜観賞ツアーで人気の「桜の名所」東・西ランキングを発表!(PRTIMES クラブツーリズム公表 2024年2月5日)

クラブツーリズム社では、「桜ツアー特集」ページを掲載し、124箇所を「桜の名所」として紹介し、この中に「高田城趾公園」の掲載もありました(よくもわるくも新潟県唯一の掲載スポット)が、このランキングの上位には入っていません。「日本三大夜桜」であると地域内外で知られてきた当地の桜が、ランキングに入らないのはシンプルに残念です。

次に昨年との比較で考えます。昨年同時期の社会背景を振り返ると、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)が指定する5類感染症への移行前、ようやくマスクが自主判断となってまもなく(2023年3月13日~)の頃でした。

一方、本年は5類感染症へ移行した昨年5月以降、すこしずつ人々も活気を取り戻し、5年ぶりの従来通りの開催となったなかでのこの結果です。しかし、各地、観光での活性化、人の来訪に各地域、事業関係者が力をいれたことも影響していると思うのですが、当地は、前述のクラブツーリズム社のアンケート結果もそうですが、地域外へのPRの雰囲気が感じられません

市外地域外へのPRという観点では、観桜会直前に訪れた「北陸新幹線敦賀延伸開業」の上越妙高駅のデータがより印象的です。

次回は延伸開業日(2024年3月16日)直前までデータをさかのぼり、当地の上越妙高駅の利活用の現状とあるべき姿について考えます。

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